今回紹介する本は、私が持っているこどものともで一番古いものになります。宮沢賢治原作・茂田井武絵の「セロひきのゴーシュ」です。時代ですが、1956年5月・こどものとも第2号(!)になります。48年も前の古い本なので痛みも相当ですが、小冊子もちゃんと残っており当時としては上等な紙にしっかりと印刷されています。
茂田井武さんは、戦前から絵本や挿絵を多く書かれており、当時の絵本界の第一人者でした。惜しむらくは若くしてお亡くなりになり、この絵本が絶筆だということです。先日、福山美術館で開催された絵本展に行った折この絵本の原画が展示してあり思わず食い入るように10分ほど見てました。油絵でしっかりと描かれたその絵は48年の月日を感じさせずやさしい温かみを放っていました。北田卓史さんはこの方の影響を受けているのかな、なんて思ってしまいました。